すなリハブログ

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筋収縮のエネルギーはこれだ!! かんたん解説

筋収縮のエネルギーについて

筋肉の収縮、弛緩のどちらにもATPの分解で発生するエネルギーが必要なんですよ

 

収縮はイメージできるけど、弛緩はイメージできないですよね((((;゚Д゚)))))))

 

収縮、弛緩の過程で

ATPから放出されるエネルギーを使うのは

 

1)収縮における架け橋の運動
2)弛緩の過程におけるカルシウムイオンの

      筋小胞体への回収の最後
3)架け橋とアクチンの結合がつきっきりに

      ならずに周期的に離れる時

 

筋肉は収縮するために多くのATPをそのエネルギーとして使用します。 このATPの供給は運動の持続時間によって大きく異なります。
 
 
数秒間の筋肉収縮

→筋線維内に存在するATPを消費することでまかなうことができます。


筋線維内のATPは数秒間分しかありませんのでそれ以上に筋肉運動を続ける場合には他のATP供給システムが稼働する必要があります。
 
ATP-CP系 最初のATP供給システムは

クレアチンリン酸からATP供給システムです。

ATP-CP系供給システムと略記します。

 

このクレアチンリン酸は筋線維に特有の分子でATPのリン酸の1つがクレアチンに移り高エネルギーな分子になります。

 

このクレアチンリン酸は筋肉が収縮する時にATPとクレアチンに戻り、このATPが使われることで約15秒間の運動を続けることができます。
 
解糖系

これまでの数秒+約15秒以降の30秒から40秒間は解糖によるATP供給です。 解糖はグルコースブドウ糖)をピルビン酸に分解してATPを2分子作る反応です。

 

このグルコースの供給は筋線維の毛細血管からの供給と筋線維内でグルコースから変換され、貯蔵されているグリコーゲンの分解によって行われます。

 

この解糖は酸素を使わずに行われる反応です。
 
以上の反応と継続可能時間は全力で運動した場合です。 運動強度とその場合の必要ATP、供給ATPの状況によって変わります。
 
有酸素系

10分以上の運動の場合は有酸素細胞呼吸という反応が筋線維内に存在するミトコンドリアによって行われATPが必要ATPの大部分を供給します。

 

有酸素細胞呼吸は言葉の通り酸素が十分にある場合に可能な反応で、毛細血管からの筋線維への酸素と筋線維に存在するミオグロビンからの酸素に依存します。

 

このミオグロビンは酸素が豊富な時には酸素と結合し、少ないときは酸素を放出する筋線維のみに存在する酸素結合タンパク質です。

 

この有酸素細胞呼吸はグルコース1分子が前述の場合と同じような解糖反応で2分子のATP分子を作り、その後にミトコンドリアに入り約36分子のATPを作ることができる効率的な反応です。

 

しかし筋肉活動を続けた場合には、酸素濃度が低下し有酸素細胞呼吸が抑えられ、解糖により作られたピルビン酸がATPを作るのではなく乳酸に変わってしまい、筋肉を強く収縮できない状況が発生します。